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横浜&広島で症状改善を手がけ10年以上
「TPドクター整体 一福」
様々な症状の解決法・改善症例をここにご紹介。
症状改善集 PR

【症状改善集】⑥‐B 精神疾患(後編)

パニック障害の原因となる斜角筋
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前編では、精神疾患に関する症状への整体的アプローチ法を記しました。

この後編では実際に施術した症例を書きます。

ですが先にお伝えいたしますが、今回の症例は「失敗例」となります。そのつもりでこの後をお読みいただけたらと思います。

30代、横浜在住の女性の方。「PTSD(=心的外傷後ストレス障害)」と診断され、プレカウンセリング時でのお話のトーンや顔の表情だけで、その心の傷の深刻さが伺えました。

ご紹介者の方によると、この方のPTSDは男性が原因によるものとのこと(旦那様だけはOKだったとのことです)。

この点だけで、一体何があったのか大体は察することができましたので、こちらからはこの事に一切触れないようにしました。

主な痛みは首・肩・腰ということですが、腕にも足にもかなりの不快感があり、とにかく全身の不快感を軽くしたいとのこと

いただいた時間は60分。この時間で結果を出さなければなりません。

しかも旦那様とお子様が、施術が終わるのを待合室で待っていらっしゃるので、いつにも増して時間通りに終わる必要があります。

クライアント様のご紹介者の方とも事前にお話をし、通常と違い今回は特別に大きなシーツを、クライアント様の全身を包むようにかけました。

そしてそれをめくらないよう、全てシーツ上から施術することにしました。筋肉の硬結を探る指先の感覚が鈍るのですが、致し方ない所です。

以前行なっていた薬物療法も中止され、たびたび悪夢を見るとのこと。

自分の行う何気ない動作一つが、フラッシュバックを引き起こさないとも限りません。

施術には細心の注意を払いました。

全身にわたって身体が相当硬くなられておりました。

そしてやはり「首の筋肉(=【斜角筋】)」に反応が相当強く出て、腕にまでかなり響いたようです。

筋肉奥深くまで届くように、力まずゆっくり圧を入れる。手応えを感じたらしばらく圧をそのまま持続させ、そしてその圧をゆっくりと抜いていく。

クライアント様の顔は隠していますが、少しだけ覗いてみえる口元や呼吸から刺激が適正か常に注意します。

指先の感覚・力の入れ具合・施術時間。

この三つを同時に配慮して(書くと簡単ですが、実際これが中々・・)、60分施術完了。

術後のアフターカウンセリング。

改善感よりは、より一層足の不快感が増したらしく、しきりに足をさすられていました。主な痛みが改善された分、気になり始めたのかもしれません。

この施術自体は、クライアント様の感覚としては、成功とはとても言い難いものだったに違いありません。

未熟さを本当に申し訳なく感じましたが同時に、与えられた時間で全力は尽くしたという感が強いです。

施術に全力を尽くすことで、改善を感じていただけなくとも、ある程度気持ちの区切りができます。

(「全力を尽くしてなお改善できなかったことを、いつまでも引きずることにも問題があるのだよ」と我が師は言われました)。

逆にたとえクライアント様が改善を感じ満足されても、自分が納得いかない施術で終わってしまうと、それが後々まで残ります。

だから毎回の施術に全力を尽くす必要が、自分にはあるのです。

(もちろん自己満足だけに陥らないよう、改善結果を出すための技術的な研鑽は絶対に必要です)。

「ウチにくればどんな症状も治る!」と豪語されるお店は今まで何軒も拝見しました。

しかし今回のような、精神的に深いダメージを受けているクライアント様の苦しみに、真に対応できるお店は果たして何軒あるでしょうか。

普段の施術のようにはいかないのです。

「そんなのは整体の範囲外だし、そういう人達にあまり関わるのは危険だよ・・!」

と言われる先生もいらっしゃいました。一面では真実かもしれません。

しかし自分は、少しでもその方に有効と判断できるのなら、今回のような精神的症状を抱える方達の支えにもなれるのではと思っています。

(細心の注意が必要になりますし、真性の精神疾患の症状であれば対応はほとんど難しいですが)。

・・と偉そうに書いてしまいましたが、今回の施術は成功とはとても言い難いものでした。

いや、「失敗」と言っていいでしょう。リピートもいただけなかったのですから。

しかしこの施術から三年経った今でも、自分にとってとても印象に残る症例でした。

これから一層精進すべく、あえて恥を忍んで書いた次第です。

(※このクライアント様に関してもう一点。

施術終盤に入り、右足が「ピクッ、ピクッ」と痙攣されておりました。術後に増した足の不快感とも関連するのですが、

これは「レストレスレッグス=むずむず脚(下肢静止不能)症候群」と呼ばれるものです。

この症状に関してはまた機会がありましたら別に章立てて、書いていきます。)

施術スケジュール(直近三週間)