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「TPドクター整体 一福」
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施術後の改善反応 PR

【施術後の改善反応】⑲好酸球性副鼻腔炎(難病指定)の改善

副鼻腔炎の原因となる胸鎖乳突筋・鎖骨頭
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40代、広島在住の女性の方。

以前書いた「症状改善集 番外編④副鼻腔炎」の記事をご覧になり、こちらにお越しいただきました。

【好酸球性副鼻腔炎】と診断され、重度の嗅覚障害により「昨年9月からほとんど匂いが分からない」とのことです。

【副鼻腔炎】とは文字通り、「副鼻腔(=頭蓋骨に空いている四つの空洞:鼻腔を取り囲むように位置している)」に炎症が起きた状態のことです。

(以前は「蓄膿(ちくのう)症」と言われていました)

原因としては細菌・ウイルス感染、花粉やダニなどの侵入によるアレルギー反応が考えられます。

統計によると患者数は100-200万人。そして今急増しているのが今回の方の症状であり、

厚生労働省から難病に指定されている、【好酸球性副鼻腔炎】です(患者数は約2万人)。

この症状では、副鼻腔にポリープ(鼻茸)が多発して早い段階で嗅覚障害に陥る特徴を持っています。

(健常な人の鼻の中)
(好酸球性副鼻腔炎の患者さんの鼻の中。鼻茸が無数にできている)

このポリープはステロイドによる縮小や手術による切除を行ってもまた再発を繰り返してしまうので、

根本的な治療法が確立されておらず、難病指定となっています。

その治療を整体で行うというのは全国的にみても珍しいのでは無いかと思います。

この方は他にもパニック障害をお持ちの上、あるトラウマにより、NGな施術の態勢があるとのことで、毎回慎重に施術を心がけています。

ここまで毎月一度、都合4回の施術を行いましたが、嬉しいことに徐々に嗅覚が戻られてきており、

“今までにないほど鼻の調子がよくなってきている・・!”

とのことで、施術前に焚くビャクダンのお香の匂いも分かるほどでした。

本当に整体で嗅覚が戻るのか?副鼻腔炎が改善するのか?という話ですが、以前の副鼻腔炎の改善記事でも述べましたように、

筋肉的なアプローチは可能なのです。

そのポイントが【首の筋肉(=胸鎖乳突筋)】です。

ここに筋肉のコリ(=トリガーポイント)ができると、「粘液分泌過剰」「鼻づまり・花粉症の悪化」を引き起こすことがありますので、

ここのアプローチによって、副鼻腔炎の症状を改善することができるのです。

ただこれは自分の施術のみで効果が出ているだけでなく、同時進行で行っている「歯の治療」も関係しているのではと考えています。

その「歯の治療」というのは、「上あごの奥歯(=『大臼歯』)三本に溜まった膿を出す治療」とのことですが、

「嗅覚が大いに戻ったタイミング」と「膿出し治療のタイミング」がほぼ一致しているとのことですし、

解剖学的にも四つの副鼻腔のうちの【上顎洞(=ほほの裏側にある空洞)】は、【上あごの大臼歯】の根っこの先端の近くにありますので、

大臼歯の根に膿が溜まり、その膿が上顎洞に広がり、副鼻腔炎に発展した可能性が考えられます。

通常この場合、症状名としては【歯性上顎洞炎】になるのですが、この方の場合、歯の症状で「好酸球(=白血球の一種)」が特別に異常に増殖してしまい、

【好酸球性副鼻腔炎】となってしまったことが考えられます。

ただこの奥歯の治療前に、すでに整体によって嗅覚の改善は始まっていましたので、「胸鎖乳突筋のアプローチ」と「奥歯の治療」が双方効果的に働いたものと考えられます。

また興味深いことに、腰の筋肉にアプローチすると、

“鼻にひびいて、症状が抜けていく感覚がある・・!”

と毎回言われます。

その筋肉は【腰方形筋】なのですが、

この筋肉は西洋医学的には、鼻の症状となんら関係性は見いだせません。

しかし東洋医学的にはここの場所には【大腸経】という経絡ゾーン(人体のエネルギーライン)が通っています。

そしてこの【大腸経】は、顔面ではちょうど鼻の部分を走行しており、あの「迎香(=嗅覚回復のツボ)」もこのライン上に存在します。

顔面の経絡走行図。大腸経が鼻の位置を走行しています。小鼻に「迎香」があります。

また、この【大腸経】は陰陽関係によって【肺経】と密接な関係があるのですが、

実は「好酸球性副鼻腔炎」は「気管支喘息」の人に多く起こることが分かっていて、このクライアント様も、気管支喘息を持っています。

【大腸経】=鼻
【肺経】=肺

と考えると、西洋医学的な見地と東洋医学的な見地が一致することが、このクライアント様から読み取れるのです。

他にも鼻にひびくポイントが按腹(=お腹の按摩)によって二つ出てきたのですが、

按腹(お腹の按摩)でアプローチする箇所の経絡ゾーン。


【三焦経】【小腸経】です。

【三焦経】は体のあらゆる粘膜(鼻の粘膜も当然含まれます)とリンパの反応を司り、
【小腸経】は、本来は血流に関するはたらきを司るのですが、顔では副鼻腔の位置まで走行しているので、

【好酸球性副鼻腔炎】の症状にも関連するであろうラインです。

顔面の経絡走行図。小腸経が副鼻腔の位置まで走行しています。

このように西洋医学的な筋肉トリガーポイント・東洋医学的な経絡治療という二つのアプローチを織り交ぜての施術により、

難病とされている【好酸球性副鼻腔炎】にも整体で改善が可能なのです。

この方はまだ四十代にして嗅覚を失われてしまいました。

これからの数十年、嗅覚無しの人生を送るのかということを考えれば、今までどれだけお辛い思いをされたことでしょうか。

それが今、実際に嗅覚が徐々に戻られて喜ばれるお姿を見ることができるのは何より嬉しいです。

今後さらなる改善に向けて、次回の施術も全力を尽くします。

施術スケジュール(直近三週間)