股関節痛に関しては【三関節原理】、つまり
足関節(足首)・膝関節・股関節、これらは三位一体のシステムであり、それぞれ互いに影響を及ぼしあう。
という原理が重要になってきます。
この、お互いに補正しあう関係であるという三関節原理を今回のテーマである股関節痛の場合で言うと、
足首・膝に何らかの歪みが出た場合にその歪みを股関節で代償し補正しようとするため、結果的に股関節に痛みが生じるというメカニズムになります。
最近は股関節の障害に悩む人が多くなり、酷い方は手術によって人工股関節を装着される方もおられます。
このようなやっかいな股関節痛に対しても、【三関節原理】に基づいた処置を行えばほとんどのケースで改善することができます。
そういう意味で、股関節が悪いからといって股関節だけの操作だけでは症状は中々改善いたしません。足関節&膝関節へのアプローチが必須になります。
このようなアプローチをして初めて、治りにくいとされる股関節の症状が改善されるのです。
(このことは膝痛にも言えます。膝が悪いからと言って膝へのアプローチだけではなく、足関節や股関節への操作が欠かせないのです)
そしてアプローチするのは関節自体に行うだけでなく、
- お尻の筋肉=中殿筋・小殿筋・梨状筋etc…
- お腹の筋肉=腸腰筋
上記①②の、股関節を支えてその歪みを左右する「股関節筋」を緩めることが必要不可欠になってきます。
これら「股関節筋」は22本ありますので、きめの細かいアプローチが必要になってくるのですが、
他にも意外な筋肉(腰の筋肉=【腰方形筋】)が股関節に痛みを送る場合があるので、そういった筋肉にもアプローチをかけます。
また骨盤の安定には股関節の安定が大きく関わってきますので、骨盤のゆがみによる腰の問題とも直結します。
これを「応力転位」といい、「足首・膝関節・股関節・腰」は、どの部分にゆがみが生じても、そのゆがみが他の部位に転位し影響を与えてしまうのです。
したがって股関節に強い症状があったとしても、その症状の始まりは膝痛からであったり、足首の捻挫からきていたり、あるいはもともと腰痛持ちだったりと、別の部位のゆがみから原因がきている方が多いのです。
以上の「三関節原理」「応力転移」を踏まえ、股関節だけでなく足首・膝関節・股関節筋など適切な施術ポイントに操作を加えていくならば、必ず症状は改善に向かいます。
このように全体から個々の症状を考え、身体の関係性・関連性から施術することが、特にこの股関節の症状には必要な考えとなります。
股関節の症状は非常に厄介なものですが、手術が必要だと言われていても整体によって症状改善される方は多くいらっしゃいます。
そのことを是非知って頂けたらと思います。