「3ヶ月前から空咳がずっと続いて仕方がない」というクライアントさんがお越しになりました。
本来は首の痛みがメインの症状だったのですが、それが和らいだので「咳」が気になり始めたようです。
一見整体に適応しない症状にみえますが、これも手技にて改善する例が数多くあります。
ポイントは4つあります。
①リフレクソロジー(=足ツボ)
②首の筋肉
③脇腹(肋骨下きわ)の筋肉
④背骨の筋肉(経絡「肺経」)
以下、①~④まで手順を追ってご説明します。
①リフレクソロジー(=足ツボ)
足の裏に【肺・気管支】、足の甲に【喉・気管】という「反射区(≒ツボ)」があります。
(写真は【喉・気管】の反射区を図示)
足全体をほぐしたあと、そこへ入念に圧を浸透させます。
②首の筋肉
首にあるいくつかの筋肉の中で、手でつかめるほど太い筋肉があります(=【胸鎖乳突筋】)。
この筋肉は首の真ん中あたりで二股に分かれますが、その一方の「胸骨(左右の鎖骨がぶつかる所)」にくっついている筋肉(胸鎖乳突筋・胸骨頭)に、咳を引き起こすポイントがあります。
この筋肉は無意識に酷使しており中々緩みづらい筋肉なので、色々な角度からアプローチして緩めます。
③脇腹(肋骨下きわ)の筋肉
肋骨の下きわ、脇腹にある筋肉(=【腰方形筋】)の一部は、横隔膜にくっ付いてるので、実は呼吸に深く関係しています。
ですので、うつぶせ&横向きの体勢でここも緩めます。
④背骨の筋肉(経絡「肺経」)
筋肉的には咳とは直接関係ないのですが、背骨の筋肉には「肺のはたらきに関係するエネルギーライン=【肺経】」が通っている部分(胸椎1~3番)があります。
ここを経絡が確実に反応するよう、ゆっくりとした持続圧で押圧します。
(経絡を取り扱う指圧師の方でも、昨今は「手つきが早い」方が多く見受けられますが、本来経絡反応を起こすのは、こうしたゆっくりとした“安定持続圧”なのです)
この方はプライベートでかなりストレスを抱えてらっしゃるので、「心のはたらきに関係するエネルギーライン=【心経】」の部分(胸椎4~6番)も入念に緩めました。
(我が師曰く、昔は結核を「労咳」と読んだくらいなので、心労も咳に大いに関係するとのこと)
以上、①反射区(≒足ツボ) ②③筋肉 ④経絡(エネルギーライン)を組み合わせての処置後、一週間後に来ていただきましたが「すっかり咳がなくなっている」とのことでした。
今回はうまくいったようです。
我が師曰く、東洋医学的には咳には色んな分類があり、同じ咳でも処方がまるで違ってくるそうです。今回の処置では改善しない例もあるのかもしれません。
まだまだ追求すべきところが沢山あります。
生涯かけて勉強です・・!