<繊維筋痛症>。
一般の方にとってはこの病名は耳慣れない言葉かもしれません。
突如として全身を激痛が襲い、その痛みの激しさは「死んだほうがまし」とまで言われるほどです。
原因は不明、この症状を特定できる検査も治療法もまだありません。
まだあまり認知もされておらず、時として「仮病ではないのか」と疑う周囲の無理解にもさらされ、ウツ→自殺に至ることもある難病です。
病院からこの症状と診断された横浜のクライアント様を、三年前に我が「師」より託されました。
最初は足裏の激痛から始まり、放っておくうちに全身に電気を流されているような痛みが走るようになったということです。
「師」が施術したところ、2日間は痛みが全くなくなったとのことでした。
(※医療機関で正式に「線維筋痛症」と診断された方が、一回の整体で痛みが無くなったというのは、世界でも初になるのではないかと思います)。
それからまた痛みは再発したが、「以前と比べて3割ほど痛みが緩和している」とのことでした。
そして自分が、二回目の施術を担当することになりました。
初めて対面する症例であり、しかも激痛を伴う原因不明の難病ということでかなり緊張したのですが、
施術前に「師」から助言をいただきました。
「本来繊維筋痛症であれば、筋肉が相当弛緩しているはずだが、この方は身体が普通に硬い。
おそらく真性に移行する前の、いわば幼生の筋痛症ではないか。通常通りの施術で大丈夫」
頂いたその助言の通り、普段通りの圧での120分全身施術を行いました。
特に「アゴの奥深くにある筋肉(=【外側翼突筋】)」に入念にアプローチ。
ここが繊維筋痛症の原因の第一位と考えられている所です。(筋痛症の治療法として提唱している歯科医もおられるということです)。
この筋肉はとても奥深いため、ある角度から相当の時間をかけないと圧が届きません。
(※歯科医の方は、口の中に指を突っ込んでこの筋肉に直接アプローチするそうです(ヒィ!))。
数日後、クライアント様よりその後の経過メールをいただきました。
“またピリピリした痛みが再発はしたが、施術後の3日間は痛みが全く無くなっていた。
(「師」の)初回の施術で「治るかも」と希望を持ち、(自分の)二回目の施術で「治る」と初めて実感した。
引き続き横浜での施術を継続したい”
とのことでした。
1回目の施術より効果の持続時間が長くなっているので、継続的な施術で確実に改善に向かう手ごたえを強く感じました。
(もし真性の繊維筋痛症でしたら、改善自体が難しかったと思います)。
そしてこの施術以降、私の横浜出張時に合わせて毎月二回の120分施術を受けていただくこと、実に足かけ二年近く—。
少しずつ、ほんの少しずつの改善の末、ついにこの方の繊維筋痛症を根治できるに至りました。
この記事に何度も書いているように、ここまでこれたのは「師」の助言あってのおかげでした。
最初から自分がこの難病に向き合っていたら、果たしてここまで来れていたかどうか・・・。
たとえ難病といわれる症状でも、「平常心」をもって施術することの大切さ、その他さまざなことを今回の症例経験で学びました。
クライアント様よりいただいたメールでのお言葉を思い出します。
“慢性的な身体の痛みを抱えている人は、きっと本当に多いのだと思います。
四六時中どこかが痛いというのがこんなに辛いものだとは知らず、気持ちも落ち込みがちでした”
この繊維筋痛症、患者数が200万(※日本繊維筋痛症学会調べ)というように、決して少ない数字ではありません。
「死んだほうがまし」と言われるほどの激痛に苛まれ、周囲の無理解に精神すら病みながら、人知れず苦しんでおられる方がまだまだ数多くいらっしゃるはずです。
その方たちの救いに、一人でも自分がなれればと思っています。