【症状改善集】⑳-2（※失敗例）「レーベル病（細胞変異による失明）」＜後編＞

【⑳前編】のレーベル病のクライアント様のその後の経過ですが、

結論から言いますと、症状改善には至りませんでした。

初めは【⑳前編】にも載せたように「食器皿の柄がうっすらと見えるまでになった・・！」というところまで視力が回復し、経過は順調でした。

ですがある日を境に、以前の失明状態に戻ってしまったとのこと。

そのある日の夜、ふとしたことがきっかけでアルコールをいつもより多めに摂取されたそうです。

それから何度か施術をさせていただきましたが、今までのように改善の兆しもなく、

施術中に出ていた【経絡反応（⑳前編を参照）】も無くなってしまい、結局施術は中断となりました。

なぜ急に症状改善が止まってしまったのか。

◆アルコール大量摂取が原因なのか（最近の研究ではレーベル病とアルコールの因果関係についても取り沙汰されています）

◆改善の過程で起こりうる「足踏み状態（この時には施術しても目に見えた改善は見られません）」の時期に、たまたま入っていただけなのか

◆改善するにつれて知らないうちに、自分の施術中に「力み」が生じてしまっていたのか（「『手技によるレーベル病の完治』というのは日本でも初となるのではないか・・！」という気負いがあったのかもしれません）

色々可能性は考えられますが、はっきりと確定はできません。

人の身体は一筋縄ではいかない本当に奥深いものです。まして発症のメカニズム・治療法すら分かっていない病気となると・・・。

視力が回復している状態にはたどり着いていただけに、本当に残念です。

そして自分以上に残念な気持ちになられたのは、クライアント様とそのお母様だと思います。

その途方にくれた顔を思い起こすと、自分の力不足と責務を果たせなかった思いはずっと残っています。

この思いを持っている限り、自分がどれだけ周りから称賛されようと慢心することは無いと思います。

その思いをいつまでも心にとどめようと思い、今回この失敗例を記事にした次第です。

（その後：別の方に対して）

この記事をご覧になられて、同じ「レーベル病」で苦しむ埼玉のクライアント様からご連絡をいただき、

施術をさせていただきました。

30代男性の方で、奥様に付き添われて横浜の施術場所までお越しになりました。

150分の「フル施術」でやらせていただきました。

治療法すら確立していないこの症状ですが、【⑳前編】にも書いたように、改善の手掛かりとしては「首」がポイントになると思います（目の症状は首の筋肉からきていることが非常に多いですので）。

実際【⑳前編】の広島のクライアント様の施術時には、「首」「頭」が一番「目に響く・・！」と言われていました。

ですが広島の方と違い、目が改善する手応えというのは感じられなかったようです。

一回の施術ですぐに変化するということはまれなのですが、「改善するかも・・！」という手応えも与えて差しあげられなかったというのは、ひとえに自分の力不足だったと思います。

これ以上こちらができることは何もないというところまで、施術には全力を尽くしましたので、後悔自体はありませんが・・。

ですが、藁にもすがる思いで遠路はるばるお越しになられたクライアント様を思うと、本当に残念でなりません。

施術自体は「心身ともに本当にリラックスできた」とのことで、そのことに関しては心から喜んでいただけました。

帰り際に付き添いの奥様の手をそっと振りほどかれて、わざわざこちらに振り向かれて礼をされたクライアント様のお顔を、今でもはっきりと覚えています。

そして数日後、奥様よりメールをいただき「やはり目には変化が見られない。他にも色々と試してみようと思います」とのことでした。

その後、思いがけず二度目の施術のご希望をいただきましたがやはり改善はみられず、二回で施術は終わりとなりました。

ご期待に沿うことは叶いませんでした。

普段【症状改善集】にて鮮やかな改善例ばかり載せると、いかにも「ゴッドハンド」のように思われるかもしれません。

しかし今回のように本当に深く重い症状に対して、何もできない自分の無力さを感じることが多々あります。

ですが落ち込んでばかりでいられる時間はなく、「最後の砦」としてご期待に沿うべきクライアント様が他に大勢おられます。

“施術には全力を尽くさないといけないけど、改善できなかったものをいつまでも引きずることもよくないからね”

という師の教えを忘れまいと思います。