50代、広島の男性の方。
『【症状別の原因⑬】パニック障害』の記事を見た、奥様からのご紹介でご来院頂きました。
10年ほど前に「パニック障害」と診断され、現在「ソラナックス(抗不安薬)」を服用されているとのこと。
その改善のためにはるばる東京まで出向き、
【催眠療法】や【アレキサンダーテクニック(=不必要な習慣や癖を修正し、身体の不要な緊張を無くすことで身体機能の回復を目指す方法)】など、
ありとあらゆる手段を尽くしても、一向に症状が改善しなかったとのことです。
病院では脳には異常がないとの検査結果ということでしたので、整体での対応が可能となります。
今までにも何度か取り上げましたが、こういった精神疾患の場合、
特に首周りが相当硬くなっている場合が非常に多く、
とくに【首の筋肉(=斜角筋)】を緩めることが重要になります。
というのも、この斜角筋のすぐ近くを【心拍数を抑える神経(=迷走神経)】が通りますが、
この神経は自律神経である【リラックス系の神経システム(=副交感神経)】ですので、
【斜角筋】が縮んでこの神経を圧迫することで、パニック障害やうつなどの精神疾患を引き起こす場合があるのです。
案の定、この方の首・肩周りは鉄板が入ったように硬く、初めは圧をかけた指がほとんど中に入らないほどでした。
しかし施術が進むにつれ、同じ箇所を押した時に指が沈み込むのをはっきり感じました。
この手応えがあった時は必ずと言っていいほど、施術後のクライアント様の改善感も格別です。
この方も術前と術後で身体と心の軽さが全く違うことを実感され、帰れられました。
数日後、御身体の経過報告メールを頂きました。
施術当日はぐっすり眠ることができ、翌朝久しぶりに朝寝坊をしてしまったぐらいだった。
翌日は一日中体がだるかったが、重い不快感はなく徐々に軽くなっていく感じがした。
薬を飲んだ時のような明確な症状緩和はまだ感じられないが、ふと安定剤を飲み忘れた事に気づき喜んでいる。
ご報告を兼ねてまた施術にお伺いしたい・・!
会社役員であるこのクライアント様に関しまして・・。
会社のトップを務める方を何人も施術させていただいたことはありますが、
その中でもこの方は特に気が細やかで几帳面で、こちらの質問にも懇切丁寧にご説明をしていただけました。
やはりこういった方が、精神疾患になりやすいのでしょうか・・。
「鈍感力」とはよく言ったものだと思います。
経営者の方は部下だけでなく、その家族の人生も背負いながら会社の運営をしていくのですから、
その精神的負担は並大抵の神経ではとても計り知れないことと思います。
ましてや、大きく拡大していた事業&店舗の縮小・リストラのための社員との直接面談・借入金の急な返済請求・・・。
これらの問題に一人真面目に、この方は向き合われてこられました。
こういった症状に襲われたのもある意味、うなずけることと思います。
こういった症状改善のためには心理的なアプローチというのももちろん大事ですが、私は整「体」師ですので、
身体的な面からその改善にお役に立つことができるよう、今後も精進いたします。