60代、横浜在住の女性の方。
日課のジム・エアロビをされた後に突如として「朝起きられないほどの苦しみ」に襲われ、20日間外に出られず、
病院では「すべり症」と診断され、『「軟骨のつぶれ」「骨のずれ」がある』と言われたそうです。
痛みを感じるところは「左の腰」と「真ん中の仙骨」ということでした。
「すべり症」というのは簡単に言いますと、
腰の背骨にあたる「腰椎」が折れてしまい、その折れた前半分の部分(椎体)が前方にずれてくる症状のことを言います。
そのことによって腰痛や脚の痛み・しびれが起こってきます(このクライアント様の症状は腰痛のみでした)。
主な治療法としては
・消炎鎮痛剤&筋弛緩薬投与
・理学療法
・神経ブロック療法
があり、
それでも改善しない場合は、
・手術療法(チタン合金などの補助具を用いた脊椎固定術)
ということになります。
このクライアント様の痛みが果たして本当に「すべり症」によるものなのかどうかはまず置いておいて、
このすべり症の症状を悪化させる筋肉があることをお伝えします。
というのは、五個ある腰椎は前にカーブした形をとっているため、
その該当する筋肉が硬くなり前カーブ(前弯)が激しくなると、前方へのすべり具合が激しくなってしまうのです。
(ちなみに腰椎の生理的前弯は35-60度で、この数値を逸脱すると「脊椎変形(前弯症or後弯症)」と診断されます)
ですので「すべり症」の方に対しては、
<硬く縮んでしまうことで、その前弯カーブの具合を激しくさせてしまう筋肉>
にアプローチすることが、重要になってきます。
(もったいぶったようで大変申し訳ありませんが、その筋肉名は今回伏せます。
今までの施術メモと違って市販本にも無い、リフレパシー整体の授業でのみ教わった内容ですので・・。
ただ解剖学的に考えるとその答えが導き出されると思います)
案の定この方のその<該当筋肉>は、固くなっておられましたが、
それ以外にも、と言うよりむしろそれ以上にお尻の筋肉が固くなられていました。
特に股関節のわき、手で押さえると分かる「足の出っぱり(大転子)」のきわに強い反応がありましたが、
ここはちょうど「仙骨痛」を引き起こすポイントがあるところです。
そしてもう一つの症状、「左の腰」のゾーンについてはここに痛みを送る原因は複数考えられるのですが(背骨際の筋肉=【最長筋】など)、
この方は脇腹奥深くにある筋肉(=【腰方形筋】)の部分が一番反応が強く出ていました。
こうした処置を施した初回施術の二週間後にメールをいただき、
「ほとんど痛みを感じることなく生活ができています・・!」
とのことでした。
一度の施術でここまで改善できたことは喜ばしいことです。
と同時にこの方の痛みの原因は「すべり症」というより、
上にご説明した一連の筋肉が硬くなったことから生じる、
【痛みの引き金(=トリガーポイント)】から起こったものではないかという気がしています。
二度目の施術のプレカウンセリングでは
「逆に腕の痛みが出始めた」とのことですが、
おそらく腕の痛みは前からあり、
今まで最優先に感じていた腰の痛みがほとんど無くなったことで、
腕の痛みを意識しはじめるようになった、というところだと思います。
(こうした「痛みが別の場所に動いた!」というケースはほとんどの場合、「痛みの優先順位が変わったことによるもの=当初の症状が改善された結果」が多いです)
以上、病院より「すべり症」と診断された腰痛や脚の痛み&しびれの場合、それらの症状が
●実はすべり症からではなく、「筋肉の強いコリ(=トリガーポイント)」からきている場合
●本当にすべり症からきている場合
の二通りが考えられますが、
そのどちらにおいても症状を改善できるケースが非常に多いことをお伝えいたしました。